システム提案事例

32台の全方位カメラソリューションで「美しい階段世界一」を目指す! 石垣鐵工 株式会社 様

秋田県大館市にある石垣鐵工様は、鋼製階段の専門メーカー。中央支柱のない螺旋階段や個性的なデザインの手すりなど、「美しい階段」づくりをモットーに掲げ、高い技術力と常に改善を続ける生産管理で、日本全国からの難しいオーダーに応え続けている企業だ。その制作実績は多彩で、東京を、日本を代表するアミューズメントパーク、複合商業ビル、皇族も利用する病院など、東北の地から大勢の人々の命を陰ながら支えてきた。全国的に製造業の人手不足が叫ばれる昨今、ベトナムからの技術実習生を迎え入れるなど、新たな試みにチャレンジする中で防犯カメラの必要性を感じ、全方位カメラ32台を2019年に導入。その経緯や活用方法などを詳しく伺った。

石垣鐵工 様
基本情報

設立:1978年(昭和53年)7月

従業員数:81名

業種:製造業

規模:敷地面積/19,025.16㎡、延床面積/工場:8,431.50㎡ 管理棟:602.78㎡

機器構成

PF-CW1028×32台

PF-RW2032-60TB×1台

設置用ブラケット各種

※ギガビットPoEでスイッチを使用し、9MP全方位カメラ32台のデータ伝送を実現。

現状の課題

・複雑な案件が多く、より柔軟な生産管理を行いたい

・従業員の安全管理のためにカメラで広範囲を確認しつつ、必要に応じて柔軟な切り出し・拡大再生を行いたい

・外国人労働力の受け入れに伴い、コミュニケーションの問題を解決し、技術移転を円滑に進めたい

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ご導入の目的
生産ラインの最適化、勤怠・労災管理、映像マニュアルの作成
防犯カメラシステム運用のポイント

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今後の展望

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ご導入のきっかけ

石垣鐵工様に舞い込むのは、技術的、物理的(主に工場面積的)、生産効率的に同業他社では引き受けるのが困難な条件の案件ばかり。支柱のない螺旋階段や円錐状の螺旋階段など、デザイナーの新しい発想の数だけ技術要件は増える。巨大な階段を造るには、工場の面積が広くなければ部品をストックすることもままならず、納品時に必要となるトラックの台数も増え、コストが膨らむ。「一つとして同じ階段をつくることはない」というほど依頼内容は千差万別であり、案件ごとに工場内レイアウトを柔軟に変える必要がある。さらに、階段の部品が大きくなると工場内に死角ができてしまい、事故発生のリスクが上がってしまう。
現在設置しているアナログカメラでは、そうした経営上の課題を解決するには力不足と感じ、全体を見通すことができる「目」が必要だった。


「親の家業を継ぐタイミングで、階段1本でいくと決めたものの、近隣には大きな建物がない。それで、難しい案件を一手に引き受けるという生存戦略を取らざるを得なかった事情はあったんですが、今では当社の唯一無二の強みになりました」と代表の石垣氏は語り、「ただ、時代の変化に合わせて、もっと改善していかなければ」と続ける。


その最たる例が、人材確保だ。多くの製造業がそうであるように、国内人材の確保が難しくなり、海外に人材を求めるようになると、真っ先にぶつかったのは言葉の壁だった。特に石垣鐵工様のようにスキルや経験を必要とするメーカーでは日本語の素養があるというだけでは、生産性を発揮するまでに時間がかかってしまう。真面目に働く国民性と聞いたベトナム人の採用を3年前から開始したが、その際に受け入れ側のコミュニケーション力を高めるため、外部講師による「やさしい日本語セミナー」を全社員に受講させた。それに伴い、コーポレートサイトで使用する日本語を世界中の国々で適切にインターネット翻訳できるように改修して広報力を高めた。それでもやはり、言葉とともに映像で作業の様子を見せられたら話はもっと早くなるはずだ。



CADとレーザー加工により難しい階段を美しく仕上げてきた代表の石垣 勝康氏。自社では受け切れない案件をカバーしてもらえるため、同業者からの信頼も厚い。


そう考えていたときに地元の有力警備会社であるユーアイ警備保障株式会社様から提案を受けたのが、360度を広く見渡せ、防塵性能が高く、マイクが内蔵され、必要な部分の映像を適宜切り出して再生も保存もできる、全方位カメラソリューション<ENJIN(円陣)>であった。

「最先端の機能がたくさんあるのは、新しいものが好きな私にはそれだけで魅力的でしたが、導入しても使いこなせなければ意味がありません。デモンストレーションを通して設置箇所と設置方法を煮詰めたおかげで、期待以上の環境を構築することができましたね」と石垣氏は満足げな表情で語る。デモは二度行った。過程では、メーカーから映像伝送の肝であるビットレートの割り振りを緻密に計算した素案の提案があった。それを元に、石垣氏自らも得意のCADを使用して設置レイアウト案を出し、すり合わせを行った。デモ映像を見ながら、より理想に近い映像にするためにはカメラに傾斜をつけるべきだとなったときには、販売店が力を尽くした。三者三様の熱が構築の核となり、システムの運用が開始された。


9メガピクセル 屋外IR全方位ネットワークカメラ「JS-CW1028」。製品詳細はこちら



防犯カメラシステム運用のポイント

  • ・画質の良さと広範囲撮影を重視し、9メガピクセルの全方位カメラのみを選定。
  • ・32台の全方位カメラを1台のレコーダに接続し、音声も録音できるよう、ハードディスクを60TBまで増設。
  • ・一部カメラは設置時、本体に傾斜をつけることで画角を最適化。
  • ・すべてのカメラ映像はH.265で圧縮をしつつ、モーション検知による録画を行い、ディスク容量をマネジメント。
  • ・現場にアンプ付スピーカを新たに導入し、従業員の安全上適切な機器操作等がなされていない場合は管理棟から指示出し。
  • ・高画素カメラのポテンシャルを引き出すために4Kモニタを導入。
  • ・ライブ時も録画再生時も、オリジナルの撮影映像である円形映像をパノラマや5画面切り出し等、自在に歪み補正してモニタリング。
  • ・レコーダの分割画面を第一工場、第二工場、第三工場、ストックヤード、管理棟と整理して表示させ、閲覧性を高める(下図)。


モニタリング環境は社長室に集約し、生産管理の見直しや独自に開発した設計ソフトなどの情報資産の漏えい対策、社員の安全配慮に役立てる。



今後の展望

1人のスタッフが1台の階段をつくるような現在の生産方式では、10台納品するのに10日を要する。まずは、受注から納品までのリードタイムを3日程度に圧縮することを目指している。「理想は、10台を10人で手分けして1日で出荷する方式。実現すれば商品を倉庫に滞留させなくて済むので経営効率が上がるし、それはお客様のメリットにもなる。だから、この全方位カメラが必要なんです」と、石垣氏。
また、ベトナムへの技術移転についても意欲的である。「部下を持っている日本人スタッフでも、まだまだ継承したい技術があるくらい、この仕事は一つ一つの工程の専門性が高いんです。だからこそ、ベトナムの子たちが1人で階段をつくれるまでに頑張って成長してもらえたら、とても嬉しい。それを実現するために、これから録画映像を整理して、映像マニュアルをつくっていきたいです」


階段は視点を変えてみると、1段1段が壁である。
「スロープのような人生なんてない。いきなり大きな壁がきたら太刀打ちできないが、階段ならクリアできる。階段づくりとは人生における成長そのもの。そういうことも踏まえて、この道を選んで良かったなぁとしみじみ思います」。


石垣鐵工様の挑戦は続く。

10代から続けるサックスの話題になると、より一層の笑みが溢れる。地元のイベントに長年出演し、都度、新曲を披露するなど、私生活でも挑戦する姿勢を貫く。



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