JSS遠隔監視システムを支える「UCN」とは

JSS遠隔監視システムを支える「UCN」とは

ジャパン・セキュリティシステムでは、遠隔での監視オペレーションをサポートする「JSS遠隔監視システム」というツールを提供しています。モバイル端末で利用可能な「JSS遠隔監視-モバイル2」とともに、無料で導入いただける点や使いやすい画面設計でお客様からご好評をいただいています。

JSS遠隔監視システムの記事一覧

基本的なPC/スマートデバイスへの設定方法の他にも、スピーカと接続して音声出力する方法や、全方位カメラの歪み補正・マップ機能などの利用方法など、JSS遠隔監視システムを利活用するための様々なコンテンツをご用意しています。

JSS遠隔監視システムを利用すると、インターネット環境にて簡単かつ安全に「遠隔地の防犯カメラ・レコーダ」と「管理側のPC」を接続することができますが、そのツールの裏側では「UCN」という技術・通信方式が活躍しています。
今回は、JSS遠隔監視システムの簡便性・安全性を担保する「UCN」についてご紹介します。

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注意事項

JSS製レコーダを導入・設定する場合は、必ずポート開放を行うようにしてください。

UCNとは

UCNとは

カメラやレコーダはプライベートネットワーク(LAN)内に設置されています。
通信の壁(NAT・ファイアウォール)があると基本的に通信はブロックされ、スマホやPCなど外部から直接アクセスすることはできません。
この通信の壁を越えるために登場するのが、UCN(Universal Connect Network)機能です。

UCNはJSS製レコーダに搭載されている機能で、動的IPアドレスなどの課題を克服し、デバイスがどこにあっても、どのようなネットワーク環境にあっても、簡単に相互接続できるようになっているため、例えば、遠隔地にある防犯カメラやレコーダと監視用のPCやサーバーに、複雑な設定なしに安全にアクセスできるようになります。

UCNの説明をするにあたり、一部ネットワークの専門用語が出てきます。以下の概略を一読いただき、続きを読んでいただければと思います。
これらの技術や通信方式を組み合わせることで、簡単かつセキュリティにすぐれたネットワーク接続を確立しています。

NAT (Network Address Translation) プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを変換し、複数のデバイスが1つのグローバルIPでインターネットに接続できるようにする技術。
NATトラバーサル (NAT Traversal) NATの内側にあるデバイス同士が、インターネットを介して直接通信できるようにするための技術の総称。
UDP (User Datagram Protocol) 最小限の処理でデータを即座に届けることができる軽量・高速な通信プロトコル。通信の確実性よりも遅延の少なさやリアルタイム性を最優先する場面(音声通話・映像配信・オンラインゲームなど)に最適化。
UDPホールパンチング セキュリティを保ちつつ、遠隔機器同士が自らの意思で同時に接続を試みることで、直接通信できる経路を一時的に確立する技術。NAT越しでも、リアルタイム性を犠牲にしない高速P2P通信の仕組み。
P2P (Peer-to-Peer) 中央サーバーを介さず、デバイス同士が直接通信し、情報やリソースを共有するネットワークモデル。

UCN接続の図解説明

UCNとは、異なるNAT環境にある「JSS製レコーダ」と「デバイス(PCなど)」が、相互に直接通信し情報共有(P2P接続)するための機能です。UDPホールパンチングを利用してNATトラバーサルをすることで、セキュリティリスクを抑えながら、これらの環境を実現しています。
ちなみに、これらの技術や手法はセキュリティ関連以外にもIP電話、オンラインゲームなど、様々なネットワークサービスで利用されています。
ここではUCNがどのような仕組みで、別々のネットワークの複数の機器を接続しているのか、解説してまいります。

①UCN登録

UCNサービスのサーバ側にレコーダの各種情報を登録します。サーバに登録される情報は以下など。

  • ・デバイス名
  • ・MAC アドレス
  • ・グローバルIP
  • ・ローカルIP
  • ・ポート情報

②モニタリング側から接続リクエスト

モニタリング側から接続リクエスト

モニタリングする側の各種デバイス(PC・スマートデバイスなど)から、異なるネットワーク下にあるレコーダを接続するためにUCNサービスのサーバにリクエストを送ります。
この時、あわせてデバイス側の情報(グローバルIP・ローカルIP・ポート情報など)をUCNサービスのサーバに送信しています。

③クライアント/現場側にそれぞれの情報を送る

クライアント/現場側にそれぞれの情報を送る

UCNサービスのサーバが仲介役となり、クライアント側(モニタリング用のPC・デバイス)と現場側(レコーダ)、それぞれが相互に通信できるよう情報を送る指示を出します。
※ポート開放実施で③の工程は省略されます

④接続開始

接続開始

UCNサービスのサーバを通して、相互にデータ通信ができるように環境構築されたうえで、クライアント側が直接現場のカメラ映像を受信できるようになります。

番外編:中継サーバ

導入先企業様のインフラやセキュリティポリシーにより、UDP通信の非許可・UDPポート全面遮断の現場や、ファイアウォールがTCP通信のみ許可している現場もあります。
その場合は中継サーバを経由する接続が選択されます。

  • 通常のサーバ:機器が自分の外部IPとポートを把握する
  • 中継サーバ:機器どうしが直接通信できない場合の中継役

UCNサービス内の中継サーバは、クライアントと現場機器が直接通信できない場合に、両者の映像データ通信を中継します。具体的には、(1)クライアントからの映像リクエストを現場機器に届け、(2)現場機器から送られた映像データをクライアントに転送します。
中継サーバを利用することで、直接通信が難しい環境でも接続は可能になりますが、通信経路が長くなるため映像に若干の遅延が発生する場合があります。よりリアルタイム性を重視される場合は、UDP通信が通るようルーターの設定変更(ポート開放)を推奨いたします。

UCN接続が利用可能なJSSレコーダ

UCN接続が可能なJSSレコーダをご紹介します。ネットワークビデオレコーダのメインラインナップである「JS-RW5シリーズ」は全てUCN接続が可能な製品です。

JSS製レコーダへのUCN登録手順

UCNを利用するために、レコーダ側で簡単な設定調整が必要になります。以下のブログ記事でレコーダ側のUCN設定方法を解説していますのでよろしければご確認ください。

【PC設定手順】JSS遠隔監視システム

レコーダ側のUCN設定をはじめ、JSS遠隔監視システムのPCへの設定手順を詳細に解説しています。

また、以下の動画では、JSS遠隔監視システムを利用したUCN登録から録画映像再生・バックアップ手順を解説しています。
UCNを利用するための設定手順を紹介していますので併せてご確認ください。
※事前にJSS遠隔監視システムのインストールやルータのポート開放が必須になりますのでご注意ください。

最後に

最後までご覧いただきありがとうございました。JSSのレコーダを快適に利用するうえで、重要なバックグラウンドであるUCNについて解説してまいりました。

皆様が安心してJSSの機器を導入していただける後押しになれば幸いです。

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今回ご案内した遠隔監視システム以外にも、防犯・セキュリティに関する相談事がございましたらいつでもご相談ください。

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